あんプリンさんで、disk と disc の違いについての記事がありました。
ディスクに対応する英単語に2つのスペルがあることは知っていましたが、具体的に何が違うんだろうということはあまり気にしたことはありませんでした。興味を惹かれ読んでみると、アップルによる説明ページが紹介されていました。
アップルの解釈では、光学記録媒体が disc、磁気記録媒体が disk とのこと。光磁気ディスクである MO はどちらの例にも挙げられていませんが、ケースで覆われていることが多いとあるので disk のような気がします。
ほかの説明もないかと探してみたのですが、いろいろな解釈があるようです。ざっとリストアップしてみます。
- アメリカ英語ががdiskで、イギリス英語がdisc
- 光学記録媒体がdiscで、磁気記録媒体が disk
- カートリッジ(diskette)に入っているのがdisk、むき出しなのが disc
- 音楽用が disc で、それ以外にも使うのが disk
- 昔はdiscが多かったが、最近はdiskが多い
アナログ手段にも頼ってみました。学研の和英辞典『ニューアンカー和英辞典(1991年1月1日初版第4刷発行)』の”円盤”には、参考情報として次のようにあります。
アメリカでも、レコードやコンパクトディスクは disc とつづる。
音楽用が disc ということでしょうか。
私の解釈
音楽用が disc
初期の円盤状の情報記録媒体といえばレコードです。ウィキペディアによると、トーマス・エジソンによる円筒状のものが1877年、エミール・ベルリナーによる円盤状のものが1887年に発明されています。その後しばらく、アメリカではエジソン形式のものが、ヨーロッパではベルリナーのものが普及したそうです。このことから、ヨーロッパで音楽記録媒体といえば円盤状というイメージが定着し、イギリスで円盤を意味する disc がそのまま円盤状の音楽記録媒体をさす単語としてアメリカでも広まったと考えられます。
カートリッジに入っているのが disk
コンピューター用のディスクといえば、フロッピーディスクです。IBMが diskette と呼称していたのが起源ではないでしょうか。後ろの4文字を略せば disk です。これがそのまま一般名詞として定着したのではないでしょうか。
磁気記録媒体が disk
アメリカで広まった disk という名称が、円盤を意味する disk と混同された可能性があります。それがそのまま円盤状の磁気記録媒体を指すようになたのではないでしょうか。
光学記録媒体が disc
これは音楽用光記録媒体であるコンパクトディスクの影響ではないでしょうか。ぱっと見た感じが似ているので、こういうのは disc だと考えるようになっても不思議はありません。
カートリッジに入っていないのが disc
光学記録媒体のほとんどはカートリッジがありません。また、むき出しであることから光学式であることにも気づきやすいです。ここから、あの独特の見た目を持つものを disc であるという考えが広まったのではないでしょうか。
軽い気持ちで調べ始めたのですが、思ったよりも興味深い結果となりました。